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アクの成分

ほとんどの植物の葉、茎、根には昆虫や外敵より自身を守る為にタンニンなどの強いアクを持っています。アクの成分はえぐみの正体であるホモゲンチジン酸やシュウ酸、苦みのもとになるアルカロイドや有機及び無機の塩類、渋みを出すタンニン系物質などです。アクとは、食品に苦みや渋みまたは一般にえぐみといっている味を与える物質をさします。調理中に溶けだして料理の味や色を変えたりするほか、消化吸収をそこねる場合もあります。

アク抜きをするという知恵

ほうれん草は多量のシュウ酸を含んでおり、カルシウムの吸収を悪くするといわれています。アク抜きをすることにより、シュウ酸を少なくすることができます。特にアクは大根や人参、牛蒡などの表皮付近にあり、虫などが食べないように表皮に虫の嫌がる微毒を持っているのです。だから昔から大根や人参、牛蒡などは皮を剥いてアクを処理する生活の知恵が伝えられてきました。 アクを抜くときには野菜を沸騰した湯の中に入れるのは少しでも加熱時間を短くするためです。次に塩をひとつまみ入れておくと、クロロフィルの分子の一部分が食塩の成分であるナトリウムイオンと部分的に置き換えられて、安定なかたちになると同時に酸化酵素の作用を多少ともおさえる効果が期待できます。

アクは毒素排泄作用がある反面、微毒でもある

しかし、最近、自然食料理教室では牛蒡などのアクを抜かずに牛蒡の表皮に含むミネラルを利用しようとする料理法が教えられています。根菜類を姿煮という長時間料理で繊維質までも柔らかくして全て食べるというものです。これでは牛蒡の中の強いアクもそのまま食べてしまうことになり、アクの微毒によって寿命を縮める原因となります。しかし、このアクを抜かないミネラル料理は病気を治す効果があります。ミネラルの毒素排泄作用で症状が消えていくのです。

毒素といっしょにミネラルも排泄

しかし、毒素とミネラルは共存していますから、毒素が出るときにはミネラルも出ていきミネラル不足になり、短命になるのです。ミネラル料理でミネラルを補っているつもりが逆にミネラルを出すことをやっているのに気づいていません。ガンや難病が治ったから、良い食事と考えるのは大間違いです。効果があったものほど強いアクがあり、続けて食べると寿命を縮める原因になるという基本原則をよく理解しておいて下さい。

野草は年に1度程度食べるもの

特に春、秋の七草料理や野草料理はアク抜きをしないと大変なことになります。冬の間に溜めた体内毒素を出す為に春に一回ほど毒抜きの為に春の七草という野草料理を食べると良いと言われているのです。年に1~2回くらいはいいと思います。野草は体にいいからといって、しょっちゅう食べると寿命を著しく縮めることになります。山の山荘にこもって野草料理を多く食べているとアクによって著しく短命になっていきます。野草は特に生命力が強いのでその分アクも強いのです。ヨモギやオオバコ、たんぽぽの根などの野草を料理に使うときは注意して下さい。

牛蒡は特にアクが強い

人によって長い間栽培されてきた大根や人参など市販の野菜類は野生のものよりだいぶアクが少なくなってきています。しかし、全ての野菜はアクという微毒を持っていますから、アク抜き処理の調理がどうしても必要です。 大根や人参は皮を剥いたほうがよいのです。牛蒡は特にアクが強いので皮を剥き、水に浸してアク抜きしなければなりません。大根、人参の葉や小松菜ほうれん草など葉菜類は先ほど説明した方法でアクを抜いてから調理して下さい。

果物は皮を剥いて食べてください

果物類も野菜以上に強いアクを皮の部分に持っています。鳥や虫に食べ尽くされないようにしているのです。植物は子孫を残すために種を残そうとします。その種を内包している果実は植物が種を保存するために葉や茎以上にアクを持っているのです。果実の種に最もアクが多く、次に果実の表皮です。果物は必ず皮を剥いて食べるのが正しい食べ方です。日本人は昔からリンゴなどを皮を剥いて食べる習慣がありますが、アメリカなどではあまり皮を剥かないで食べていますが、これは間違いです。 皮の部分にミネラルや栄養がたくさんあるので皮ごと食べなさい、と教えている人もいますが、野菜と同じようにアクの毒を体内に摂りいれないために皮を剥いて食べるようにして下さい。

肉や魚介類もアクを抜いて食べてください

動物も魚介類もアクを持っています。肉や魚介類も煮出してアクを抜いてから調理した方が長生き料理になります。生肉、魚の刺身、焼肉や焼き魚などアクをそのまま食べてしまう料理を常に食べると寿命を縮める原因になります。肉や魚を煮ると泡のようなアクがたくさん出ます。あれが毒性のあるアクです。魚介類も刺身が最も美味しく、肉も生の方が美味しいという通の方がいます。しかし、この食べ方はアクを摂り入れることになります。焼いてもアクは油と共に少し抜けますが部分だけです。魚介類や肉類は煮てアクを抜いたものを食べた方が少しでも長生きできる料理法です。刺身や焼き魚、焼肉を食べるなと言う訳ではありません。たまに食べる分にはあまり心配するほどではありません。これが毎日となると寿命を縮める原因になります。

飽食は命取り

地球上の動植物は全て自らの生命を守るためにアクという微毒を持っているのです。動植物の生命を犠牲にして、その生命を頂いているのが人間です。食べる時は最低限の量にして、アクを処理し、犠牲になった動植物に感謝して食べさせて頂くのが正しい食べ方です。 ライオンも獲物をみだりにたくさん殺したり食べたりしません。野生動物の生きるための知恵として乱獲はしないように本能的に知っているのです。ところが人間は食べ放題とか、グルメツアーとか、やけ喰いとか、体の限界を越えて食べたりします。この時に動植物のアクを大量に摂り入れることにより寿命を縮めていくことになります。

加熱はアクを処理するために最も重要

米作りをする時にモミやヌカを田んぼに返すと素晴らしい無農薬の米ができます。玄米に付いているヌカは田んぼ、元の稲に返すべきものだと思います。玄米の表皮や胚芽の部分には非常に強いアクが残っているのです。野菜や果物の皮も畑に返してあげるのが正しい食べ方だと思います。 人間は本来125才くらいが天寿と言われています。寿命を縮めるのは玄米や野菜、果物、ナッツ類のアク、肉類のアク、魚介類のアク、自然塩のにがりのアクなど自然界の多くのアクで少しづつ寿命を縮めているのです。火を使えるのは万物の霊長である人間だけです。火熱はアクを処理するために最も重要なものです。

人間だけに与えられた生活の知恵

あと、塩や水や、灰などを使いアクを処理していきます。アクを処理するのは人間だけに与えれた生活の知恵です。 白米の御飯にアク抜きした野菜の味噌汁や、漬物さえあれば十分です。栄養失調には絶対になりません。塩さえ正しければ。御飯に味噌汁の単純な食事ですが、これを一生続けても飽きません。パンや肉、ハンバーグは長く食べると飽きてきます。米を炊いた御飯という主食は地球上最高の主食です。 御飯と一杯の味噌汁だけでもよく、御飯と漬物だけでも良いと思います。オカズが多いとアクをたくさん摂り入れることになるからです。

アクの微毒で健康不良になる

多くの人は、オカズをたくさん食べると栄養が摂れるので良いと考えていますが、逆にアクの微毒で短命になっていくのです。御飯と一汁、一菜と昔の人が言ったのは長い間の体験と生活の知恵からでしょう。 最近の子供達に御飯をあまり食べずに、オカズばかり食べる子供が多いそうです。オカズを多く食べるのが楽しみで食事をする人は、オカズの味覚で心を一時的に満たしている場合があります。心の空白を埋める為にメチャクチャに食べる過食症の方に似ているとも言えます。今の子供達の食生活の乱れを見るとよく理解できます。


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